90days

目標達成の道具箱

研修や本で火がついても、消えるのはたいてい数週間後。 効果が実証されている要素だけで、その先を持たせるための道具を4本作りました。

すべてブラウザだけで動きます。APIキーが無くても全機能が使えます — 各ステップの「プロンプトをコピー」から Claude や ChatGPT に貼れば同じところへ到達します。 キーを入れれば同じ画面で対話が回ります。記録はあなたのブラウザのなかにしか残りません。 サーバーもアナリティクスもありません。

土台にした理論と書籍

思いつきで作ったものはありません。各道具の画面内にも、なぜその設計なのかの根拠を書いてあります。

中身の骨格

W. グラッサー『選択理論』5つの基本的欲求、上質世界、全行動、外的コントロール心理学の否定。リアリティセラピーとセルフカウンセリングの4問もここから。
ナポレオン・ヒル『思考は現実化する』目標の明確化と、願望から逆算する成功哲学。
逆算のプランニングと時間管理人生理念 → 中長期 → 年間 → 月間 → 週間 → 日々。スケジューリング(順算)とプランニング(逆算)を分ける考え方。

効果が確認されているもの

Locke & Latham — 目標設定理論具体的で難しい目標は、曖昧な「ベストを尽くす」より高い成果を生む。ただし複数を同時に置くと落ちる。
Gollwitzer — 実行意図(implementation intentions)「Xが起きたらYをする」の形にするだけで実行率が上がる。意志力に依存しない。
コミットメント契約(StickK型)他者への報告義務が実行率を上げる。金額の大小より報告義務のほうが効く。
進捗モニタリング記録して見えるようにすること自体に効果がある。

効かないと分かっているもの

Fisher, J.D. et al. (1990)大規模自己啓発研修(LGAT)参加者の統制感の上昇は18ヶ月で消失した。持続効果はほぼ確認されていない。
Klar, Y. et al. (1990)受講前の参加者は一般標準より心理的苦痛が高い。入口に選択バイアスがあるため、受講後の変化をそのまま効果と読むことはできない。

高額であること自体の効果

Shiv (2005) / Waber (2008) / Plassmann (2008)価格プラセボ。同じ対象でも高価格のほうが効果が高く知覚される。無料の道具では原理的に再現できないので、これはこの道具箱の弱点にあたる。
Aronson & Mills (1959)努力の正当化。加入が苦しいほど、その集団を高く評価する。
Cialdini — 影響力の6原理コミットメントと一貫性、社会的証明、権威、希少性、返報性、好意。

AIで代替できる範囲

AIコーチと人間コーチの比較試験10ヶ月のRCTで、目標到達度に有意差なし(η²p .269 対 .265)。
Therabot RCT (N=210)生成AI療法の初のRCT。d≈0.85 で、作業同盟も外来療法並み。
チャットボット全般のメタ解析g≈0.31、脱落28%。単体では効果量は中程度にとどまる。
Science (2026) — AIの追従性AIは人間より49%多く相手を肯定する。だから公約する相手だけは実在の人間を指名させている。ここはAIで置き換えていない。

正直に言っておくこと

この道具箱は、高額な対面研修の代わりにはなりません。 3日間そこにいて、他人の前で宣言して、同じ部屋の100人が本気なのを見る—— その経験はここにはないし、高い金を払ったこと自体にも効果があるので、 無料の道具では原理的に届かない部分が残ります。

できるのはそのあと90日、毎日そばにいることだけです。 それは数ヶ月に一度しか会えない対面研修には構造的にできないことでもあるので、 競合ではなく補完のつもりで作りました。